ヒロテック様

ヒロテックは自動車部品の開発・製造メーカーです。自社の設備は自社で造るという方針の下、1932年の創業以来、開発から量産まで一貫した生産体制で部品と設備を供給しています。設備・金型生産工場と部品生産工場の両方を備え、設備の改善点をすぐに反映できるモノ造り体制が特徴です。その強みを活かし、プレス金型、治具装置、組立ラインなどを世界に輸出すると共に技術支援を行っています。国際的なエンジニアリング企業として大きく発展していくことを目指しています。

株式会社ヒロテック  [ 自動車部品の開発・製造 ] 

所在地: (本社)広島県広島市佐伯区石内南5-2-1

TEL: 082-941-7800 

URL: http://www.hirotec.co.jp

構想設計に強いIRONCADで工数が約1/2に。
ハイエンドCADとの使い分けでライセンスを効率的に利用。

お使いのCADで困っていたことは?

(村上氏)ハイエンドCADを使用していたのですが、モデルの作成に時間がかかっていたという点がありました。
(中田氏)価格が高いため、ライセンスが十分に購入できず、ギリギリの本数で運用していました。そのため、仕事量がピークのときはライセンスが足りないという課題がありました。


装置技術部 村上 祐一 氏

IRONCADに注目した理由は?

(中田氏)形状をいきなり触って形をどんどん変えていくダイレクトモデリング。そういう手法のCADは初めて見たので非常に衝撃的でした。確かにこれなら非常に速くモデリングできるな、と思いましたね。
あとは、カタログ機能ですね。よく使うモデルをライブラリに簡単に登録できるというのがとても魅力的でした。従来のCADだと登録するのに結構手間がかかるため限られた人しか作業ができなかったんですけど、これだと誰でも登録できます。標準化することで工数をかけずに設計が早く進むという運用のイメージができました。
それから、CAD変換が多くのフォーマットに対応できること。データの変換ツールやビューワーツールとしての使い方もできるという点もポイントでした。


選定の基準は?

(村上氏)現在使用しているCADの操作性と比べて操作がしやすくなるのかという点で悩みました。
(中田氏)実際に使ってみて本当に簡単かどうか、簡単であると同時に覚えやすいかどうかです。ほかにもインポート/エクスポートの使い勝手とか、測定の機能、表示/非表示とか、そういったところを検証しました。


IRONCADを選んだ理由は?

(中田氏)今まで、データ内容の確認や測定など簡単な作業でもハイエンドCADを使用していてライセンス効率が悪かったのですが、IRONCADならその代わりになり費用も抑えられるという点が決め手でした。


装置技術部 中田 慧一 氏

どんな業務に携わっていますか?

(村上氏)私たちの部署では自動車、主にマツダさんの排気系の設備を設計製造しており、IRONCADは設備詳細設計前の検討で使用しています。具体的には溶接治具などの装置の構想設計です。IRONCADで検討したデータを中間ファイルのSTEPにし、ハイエンドCADに移して詳細設計をしています。


▲ 実際にIRONCAD で設計した図面

IRONCADの導入効果は?

(中田氏)まずはCADの数が増えたので、ライセンス不足が解消されました。
もう一つは3Dの操作の難しさで使いたくても使えなかった2D世代の設計者でも3D CADが使えるようになったことです。
更に、ハイエンドCADによる構想設計にかかっていた工数が半分ぐらいになったという実感があります。弊社では詳細設計自体は外注設計に出す比率が高く、構想設計の比率が非常に高いんです。その点でIRONCADの効果が出ていますね。


▲ 実際にIRONCAD で設計した図面

IRONCADで構想設計しやすい理由は?

(村上氏)頭で考えているモデルがすぐ作れる、と言う点です。
ハイエンドCADだと、まずスケッチを描いて押し出し、穴を開けるにもスケッチ、なんでもかんでもスケッチなので、手間が掛かります。
その点、IRONCADだとカタログに登録された形状を必要な箇所にすぐ挿入することができるし、サイズも簡単に変更できる。移動したり、コピーして穴を増やしたければ、Triballで簡単にできる。それは従来使っていたハイエンドCADにない機能でした。
また、ハイエンドCADはファイルが分かれているので、複数のパーツを1つのパーツにすることができなかったのですが、IRONCADはアセンブリという機能でそれが可能です。さらにツリーからもできるという点が使いやすいですね。


▲ IRONCAD による設計作業

IRONCADのどんなところが便利ですか?

(中田氏)まずモデリングが非常に簡単。スケッチを描かなくていきなり3Dを作れるところですね。粘土を作るような、積み木を組み立てるような。
それと、すべてが1つのファイルになるからファイル管理をあまり意識しなくていいところです。構想設計の段階でパーツは何点とか決まっていない上に想定もできないので、そういったワークフローに合ったCADだと思います。
あとはやはりTriBallですね。TriBallさえ覚えてしまえばパーツのコピーとか移動もできる。よく使う機能がTriballにまとめられているところがいいですね。覚えやすいですし。
教育するときにも、IRONCADに関しては自分でマニュアルを見て覚えることができるからいいですね。ハイエンドCADだとそうはいかないです。


今後取り組みたいことは?

(村上氏)まだ使ってはいないのですが、アドインのROBOSimは今後間違いなく必要になってくると思います。今はハイエンドCADを使ってロボットのシミュレーションを行っているんですが、限られたライセンス数や操作の早さを考えるとROBOSimを使うことでまた仕事のスピードが変わってくると思います。
(中田氏)詳細設計の部分は顧客からCADを指定されることもあるので、IRONCADをメインにすることは難しいのですが、IRONCADの強みである構想設計で使う比率を上げていきたいですね。まだハイエンドCADで描いている設計者もいますので、そこにも広げていけば、もっと効果が生まれると思います。


▲ 設備・金型生産工場と部品生産工場の両方を備えている

写真がご趣味だそうですが、IRONCADをカメラに例えると?

(中田氏)高級コンパクトカメラですね。ちっちゃくてどこにでも持ち歩けるけど、撮ったらしっかり撮れる。安くて、誰にでも使えて、「結構やるぜ!このCAD」みたいな。


取材: 2016年