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D-2)疲労特性

MPICの疲労寿命予測は、応力-回数法に基づいています。応力-回数法では、応力は常に弾性限界未満であると仮定されます。 応力-回数(S-N)法は、高サイクル疲労寿命予測に使用されます。 高サイクル疲労寿命予測では、構成部品は使用回数の間、弾性限度を下回り続け、寿命回数は通常 1,000 サイクルを超えます。 S-N 法では、亀裂の発生と成長は考慮しません。 応力の状況と予測寿命には物理的な関係があると想定されるため、応力-寿命回数曲線(S-N曲線)に基づいて寿命を計算できます。 S-N 曲線は、公称応力(S)と寿命回数(N)のセットを記録し、公称応力の対数を寿命回数の対数に対してプロットした理想的なテストから得られます。 平均応力がゼロでない場合、グッドマン相関を適用して、平均応力と交番応力の相互作用を定量化します。

MPIC の応力-寿命 疲労寿命予測には 2 つのステップがあります。 まず、応力解析を行い、応力履歴を取得します。 次に、レインフローカウント法を使用して応力履歴を処理し、ユーザが適用した特定の荷重に対する各節点/要素のサイクルまたは反転の平均応力(σm)や応力振幅(σa)などの情報を取得します。 平均応力が正の場合、グッドマン相関で疲労の等価公称応力を計算します。

\[ σ_N=\frac{σ_a}{1-\frac{σ_m}{σ_u}} \]

ここで、σu は引張強さである。 次に、各サイクルまたは反転に対する σN を計算することができる。 n 回のサイクル/反転がある場合、上記の方程式に基づいて、σN1、σN2 が得られます。 これらの応力を S1、S2、…、SN とします。 これらの S は S-N 曲線で使用でき、次のように表されます。

\[ N=aS^{-b} \]

N は寿命回数、S は公称応力です。 S-N 曲線に S1、S2、…、SNをあてはめると、Nf1、Nf2、…、Nfn を得ることが出来る。 線形仮定に基づくと、1 期間のトータル損傷は次のようになります。

\[ D_t=\sum_{t=1}^{n}\frac{1}{N_t} \]

Life は損傷に基づいて推定されます。 時間が h 時間続く場合、現在のジオメトリと境界条件に基づく部品の寿命は次のようになります。

\[ Life=\frac{h}{D_t} \]

S-N データの場合、

\[ N=aS^{-b} \]

N は寿命回数、S は応力を示します。 係数 a と係数 b は次のとおりです。

係数 a は Y 軸上の切片に関連する

係数 b は、バスキン指数と呼ばれる直線の逆勾配です。

疲労解析には、材料パラメータ(a、b、引張強さ)、R、K など、いくつかのパラメータがあります。 詳細な説明は次のとおりです。

記号 R K a b UTS dT
名称 応力比(Min/Max比) 応力集中係数 S-N カーブのパラメータ a S-N カーブのパラメータ b 引張強さ 繰返し時間
単位 スカラ スカラ スカラ スカラ 荷重/面積 時間
制御 平均応力 応力 S-N カーブ S-N カーブ 平均応力 回数
デフォルト -1 1 1.5e10 3 1.2e9 1

R = 最小応力/最大応力。平均応力 = 0 の場合、R = -1(両振り) K は係数に公称応力を掛けたもので、傷、腐食、応力集中を表します。これらのデータは、表示されたダイアログに入力されます。

D-2(1)

Note

疲労解析は、エキスパートモジュールのみで試用できます。

各入力メニューの説明

  • 係数 a(非推奨)

係数 a の計算式に 応力、疲労寿命を 2 セット代入すると算出できます。 両対数グラフの Y 軸切片になります。 単位は無次元数です。 係数 a、b を両方ゼロを入力すると S-N データ(オプション)に入力している応力-耐久回数のプロットデータから計算します。 デフォルト入力値(1.5e+10)の使用は特に推奨しません。

  • 係数 b(非推奨)

係数 b の計算式に応力、疲労寿命を2セット代入すると算出できます。 両対数グラフの傾きになります。単位は無次元数です。 係数 a、b を両方ゼロを入力すると S-N データ(オプション)に入力している応力-耐久回数のプロットデータから計算します。 デフォルト入力値(3)の使用は特に推奨しません。

係数 a と係数 b の算出例: 応力と耐久回数の2つのセットが必要になります。

応力:280 MPa 耐久回数:10^4 回数 応力:200 MPa 耐久回数:10^7 回数

以下の連立方程式を解きます。

係数 a = 10^54.278(10 の 54.278 乗) 係数 b = 20.547

  • 引張強さ

引張強さは、次の式で平均応力がゼロでない場合に必要よなる両振り等価応力 σ_N を計算するために使用されます。

σa:応力振幅 σm:平均応力 σu:引張強さ

平均応力がゼロの場合は(応力比が -1 の場合)は引張強さは解析結果に影響しません。

  • 繰り返し荷重時間

繰り返し荷重時間を設定できます。ここで 1 秒に設定すると、Fatigue Life Cycle の数値は結果的に回数の数値を示します。 例えば繰り返し荷重時間を 10 秒に設定すると Fatigue Life Cycle は寿命回数に 10 秒を乗じた時間(秒数)を出力することになります。

  • 応力集中係数

応力集中係数は、解析でモデル化されていない応力集中、または実際の部材の欠陥を表すために使用することができます。 また、ユーザーが設計に安全な係数を追加したいときにも使用できます。

  • 応力比(Min/Max 比)

最小応力/最大応力の値。 応力比 R = -1 の時、両振りで平均応力ゼロとなります。

応力比 例:

最小応力 -100 MPa 最大応力 100 MPa の場合、R = -100/100 =-1 両振り

最小応力 0 MPa 最大応力 200 MPa の場合、R= 0/200=0 方振り引張り

最小応力 -200 MPa 最大応力 0 MPa の場合、R= -200/0=∞(無限) 方振り圧縮

※ ∞(無限)の入力につきましては、入力数値は 999999 など出来る限り大きい数値を入力ください。

  • S-Nデータオプション(推奨)

係数 a、係数 b を算出し、入力するよりも簡便に疲労解析を行えますので、以下説明のこちらの機能を推奨いたします。

  • 応力

文献値の S-N 線図の読み取りや実験値から入力してお使いください。 係数 a と係数 b が共にゼロの場合にのみ使用されます。

  • 耐久回数

文献値の S-N 線図の読み取りや実験値から入力してお使いください。 係数 a と係数 b が共にゼロの場合にのみ使用されます。

  • 追加更新

応力、耐久回数を両方とも入力した後で、追加更新ボタンを押すことによって入力完了になります。

  • 選択削除

入力した応力、耐久回数の中から選択した数値を削除できます。

  • すべてクリア

入力した応力、耐久回数の中の数値を一括ですべて削除できます。

  • CSV からの読込

CSV データから応力、耐久回数をインポートできます。

  • プロット

入力した S-N データをグラフで確認できます。